2007.05.05
最近、学ぶべき巨人がいなくなってしまった。マネージメントの話はよくあるがそうではない。私の友人の医師がよく言うには、“歯医者には学問がない、福井さん商売しないで学問してね”厳しいことだが、この先生のことを私は尊敬している。確かに、今の矯正にはニュースがない。あるのは宣伝広告ばかりである。私もその尻馬に乗っているかもしれないが、今日はゴールデンウイーク、私もかなりリフレシュしたので真剣に考えてみようかな。近代の矯正は私はツイードと思っている。1970年代矯正には新しい流れがいくつもあった。ライトワイヤーテクニックのジャラバック、そしてベック。日本の大学もカラーというか日大はツイード、日本歯科はベック。医科歯科はジャラバックなど色を鮮明にしていた時代があったようだ。私の出身大学の基礎は医科歯科大学が作ったものである。私たちの師匠も医科歯科出身者である。しかし、医科歯科出身者がリンガルブラケットを大学ですることはない。大学でしていたのは唯一つ鶴見大学の鶴田グループだけである。これは日本全国で唯一つと言って良い。タブーをおかして言えば、創始者の藤田欣也先生は神奈川歯科大学の先生であるが矯正学講座の主流にリンガルブラケットがなることはなかった。これは大変残念なことである。たぐいまれなる天才矯正医であることは誰の目にも明らかである。さて世界に話をもどすと4年ほど前に亡くなったバイオプログレッシブセラピーを作ったリケッツ先生、ツイードの後をついだメルフィールド先生も亡くなった。さて巨星は次々と亡くなっていったのである。薬をその治療法にない矯正治療には、その力のかけ方が問題になる。先人は世に出るとき必ずアメリカの矯正学会機関紙(A.J.O)にその論文を載せる。リケッツ、ツイード、藤田先生すべてがその登竜門を経て世に認められた。ところが最近はそう言った新しい装置や治療法の紹介がこういった学術最高雑誌に載らないのである。大きな話題である。企業との結びつきが強くどうも商業的な流れを強めエビデンスのない世界に流れていく傾向がある。また若い先生がたもそれにのせられて踊ると言うと言いすぎだろうか?そこで友人曰く“だから歯医者はだめなんだよ。医者は学問するぜ!!”である。頭にはくるが友人だから言ってくれる最高のアドバイスと感謝して受け止めている。リンガルブラケットに関する症例もおそらく藤田先生が2編、私の主人がインプラントアンカーを含めて1編、カーツが1編だと思う。他の国際誌には友人の洪先生、白先生もあると思う。最近長期間治療した症例をアメリカ矯正学会誌に主人と鶴田師匠が投稿準備をしている。初診から13年も経っている長期間安定している症例である。矯正はつくづく難しい治療である。上記のように薬による治療ではない。力加減と診断である。落ち込んだりすることもあったが最近はそれをバネにしている。多くの患者さんの声に支えられている。私の小さな医院にようこそである。あと16年で60歳。そこまでがんばってあとは患者さんの予後を観察したいものである。“医は仁術”決しておごらずに。今生きている巨星は世界でもしかすると藤田、鶴田両先生だけかもしれません。最近は報告がないが1980年代後半に出てきたKim先生もその一人かもしれません。身近な2人の巨人の長生きを祈り、新しい治療法を模索していきたいと思います。初心忘れない。2人の怒った顔は今も怖い。